社長インタビュー

技工士を目指されたきっかけ
「幼少時代、大阪で歯科医院を営んでいた母方の叔父の下で育ちました。住み込みの技工士さんたちと一緒に、叔父の仕事を傍で見ながら少年時代を過ごしたのです。叔父の仕事を尊敬はしていましたが、子供心にどこか反発心もあって、本当は弁護士になりたかったんですよ(笑)。けれど周りの勧めもあって技工学校へ進学することになりました。当初はあまり気は進みませんでしたが、実際にやってみて素晴らしい職業だと感じています。」
昭和58年に法人化されるにあたってのエピソードをお聞かせ下さい。
「歯科技工士という職業は当時、例えば歯科医院様に営業に行く際の服装など、企業のサラリーマンなどに比べると一般的な社会人としての常識やマナーを習得する機会が少なく、私は当社の従業員には技工士である前にまず社会人として一人前になってもらいたい、言葉遣いや服装に至るまで、どんな場に出ても通用する社会人としてのマナーをしっかりと身に付けて欲しいという思いがあり、それが法人化した大きな目的の一つです。 従業員に『一企業に勤めている』という意識を持ってもらうため、私自身も経営者として勉強し作成した経営理念を掲げ、また近年では育児介護休業等規程といった制度を整備するなど福利厚生の充実にも注力しています。」
その経営理念で謳われている
『補綴物にハートを』について詳しくお話頂けますか?
「私たち技工士が作っている「技工物」は、法律上、歯科医が患者さんの口の中に入れて始めて「補綴物」になります。どれだけ素晴らしい技工物を作ったとしても、作り手に“ハート”が入っていないと口腔内に入ったときにうまく機能しないんですね。ですから、私たちはただ素晴らしい技工物を作るのではなく、「患者さんの口の中に入るものを作っている」という意識を持って技工しなければ、本当に良い補綴物は作れないのです。」
改めて、技工士とはどのような職業だと思われますか?
「技工士というのは褒められることの少ない仕事です。技工物に対してクレームがくることはあってもその逆は多くありません。歯科医や患者さんとコミュニケーションをとる機会もめったにありません。しかし私は、歯科医も技工士も患者さんの健康に貢献する同じチームの一員であると考えています。患者さんに喜んで頂くために、一緒に良いものを作っていきたいと思っています。」
今後の展望をお聞かせ下さい。
「今、わが社は方向転換の時期にあると思っています。デジタル時代を迎える中でいかに収益を確保していくか。これは大切な社員を幸せにするためにも、経営者としての私の課題になってくると思います。しかし経営理念を基本とした考えは今後も変わりませんし、時代がどう動き変わっても、歯科医や患者さんのためにどうあるべきかを常に考えられる会社でありたいと思っています。」
これから技工士を目指す方へ
「人は生まれてまずおっぱいを飲み、やがて歯が生えて、食べ物を噛んで生きていく。口の中というのは人の成長や生命の維持に関わる大変重要な器官です。私たちの仕事はその口の中の健康に携わる素晴らしい仕事だと日々感じております。 これから技工士を目指す方には、歯科技工は素晴らしい仕事だという思いをぶれずに持っていて欲しい。人の健康に、そして社会に貢献している仕事だということに誇りを持って頂きたいですね。」
有限会社ナイキ歯研
内木雄一社長

熊本県生まれ。小学入学時に母親と大阪の母方の叔父(歯科医)の元へ上阪する。高校卒業後、歯科技工専門学校へ入学、その後、専攻科へ進学。卒業後、大阪梅田の野口歯科に勤める。昭和52年開業、同58年法人化、有限会社ナイキ歯研設立。現在、従業員20名を抱える。
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